セントラルの審査に落ちた私は、元甲子園球児です。
夏が来るたびに、胸が熱くなります。
野球を始めたのは小学生の時です。仲の良かった友達に誘われたことがきっかけでした。
幼い頃から体格が良かったこともあり、守備はキャッチャーを任されていました。
ある日、練習試合でピッチャーが投げた球がバットをかすめ、私のタマに直撃してしまいました。それ以来、私の左タマが大きくなってしまいました。
中学校に上がると、サッカー部がモテると聞いて一度は野球を辞めようかと思いました。しかし、仲の良かった先輩から強制的に野球部に入部させられてしまいました。
最初の一年は、ひたすら球拾いでした。毎週日曜日は練習試合でしたので、休日なんて滅多にありませんでした。授業が終わると、球拾いばかりで嫌気がさしていました。
そんな時、先輩から部室に呼ばれ私は何か悪いことでもしたのかと、ビクビクしながら部室へ行きました。
一番可愛がってもらっていた先輩は、私にグローブを差し出し「これ、お前にやるよ」といって練習に戻っていきました。
私は、嬉しさのあまりなぜか大声で校歌を歌いました。嫌気がさしていた練習ですが、グローブをもらった事により気合いも入りました。
監督からも認められるようになり、ピッチャーとして試合に出るようにまでなりました。野球の推薦で高校に入学する事ができました。
そこまで野球が強い高校ではありませんでしたが、奇跡的に甲子園にまで出場する事もできました。初戦敗退でしたが、あの夏は今でもいい思い出です。
大学に進学しなかった私は、物流会社に就職しました。今までの学校生活とは違い、社会の厳しさを知りました。先輩から毎日怒鳴られることなんて、日常茶飯事でした。
いつか、見返してやろうと思いながらずっと仕事をしていました。働き出して二年が過ぎた頃に、先輩から初めて飲みに誘ってもらいました。
ただ、この飲みが私の人生を大きく変えることになるとは、思ってもいませんでした。
居酒屋で飲んでいると、先輩が一人ボソボソと言っています。
よく聞くと、「プレイヤー・・・バンカー・・・バンカー・・・」と訳の分からない事を言っていました。この先輩は、何か変な宗教に入っているのかもしれないと恐怖を感じたことは今でも鮮明に覚えています。
しかしその独り言の意味が後になって分かりました。
いい時間になりほろ酔いだった私は、「先輩、帰りましょうか!?」と言いました。
しかし先輩は、「はぁ、きさん正気や!?バカラーの俺がこのまま帰ると思いよるんか!?」とビンタされてしまいました。
訳も分からず、先輩について行くと怪しげな雑居ビルの〇階の前で止まりました。先輩は携帯を取り出し、「今から二人・・・」すると頑丈な扉が開き、怪しげな人がおしぼりを持って待っていました。
私は何屋さんなのか、全く分かりませんでした。そこは、インターネットカフェみたいなところで、机にはパソコンが何台も並べられていました。
先輩に言われるがまま座ったところで、ようやく意味が分かりました。そうです。そこは違法なインターネットカジノだったのです。私は先輩が入金してくれた三万円で遊ぶことになりました。
ゲームはいくつかありましたが、私はバカラをしました。ルールは簡単で、トランプを三枚引いてプレイヤーかバンカーどちらの数が多いかを当てるゲームです。
今までパチンコなどはしたことがありましたが、それを超える楽しさがバカラにはありました。※決して違法なカジノを推進している訳ではありません。
勝率で言えば、二分の一です。引き分けを除けば、プレイヤーかバンカーのどちらかが勝つのです。
私はその日、先輩から入金してもらった三万円を二十五万円にまで増やすことができました。先輩も五十万円程勝っており、私に二十万円くれました。その日から、バカラという魔物に憑りつかれてしまいました。
今まで五百万円は負けていると思います。消費者金融でお金を借りては、バカラにつぎ込んでいました。いよいよ消費者金融からの融資も厳しくなってきた時に、セントラルという消費者金融を知りました。
セントラルは、ブラックジャック・・・いやブラックでも即日融資でキャッシングしてくれるブラック歓迎の消費者金融らしいです。
私は狂ったかのように、セントラルに申し込みました。しかしそれが原因だったのかは定かではありませんが、セントラルの審査に落ちたんです。
私はさらに気が狂いました。一緒にカジノに行っていた先輩も、いろんなところからお金を借りて今では消息不明です。甲子園にまで出場した高校球児の私が、まさか借金の甲子園に出場するとは思ってもいませんでした。
セントラルの審査に落ちたことで、我に返ることができました。セントラルには感謝しています。
私のような人間になってしまわない為にも、過去の話をしました。ギャンブルは、借りたお金でするものではありません。資金に余裕のある人がギャンブルをするのです。生活費を削ってまでするものではありません。
特にバカラといったようなものは、手持ちの資金が多くないとすることはできません。
いざという時に便利なキャッシングですが、借りたお金をギャンブルなどに使ってしまう人は生活環境を見直しましょう!